地球温暖化による豪雨の頻度増加に関する研究

2017年度修士 渡辺春樹

近年,日本では豪雨による災害が毎年のように発生しています.その中には各自治体が想定している規模を超える豪雨も多く,防災計画を改める必要性が増しています.過去に比べて豪雨の頻度が増えていると体感的に感じている人もいるかと思いますが,このような豪雨の頻度は本当に増えているのでしょうか?地球温暖化が豪雨の頻度やその雨量に与える影響は未だに詳しくわかっていません.

 

この研究では,地球温暖化による気温上昇と大雨の頻度にどのような関係にあるのかを特定することを目的としています.長期間の地上観測雨量データを用いて,10日に1回の雨~1000日に一回の雨の頻度が気温上昇1℃当たりどの程度変化しているのかを調べました.その結果,気温上昇1℃あたりの変化率は約7%という結果が多く見られました,この結果はクラウジウス・クラペイロンの法則で示される理論上の値とおおよそ一致しています.また雨量が7%/℃の割合で増加すると仮定すると,約50年後の豪雨は以下のようになると予想され,大きな災害を引き起こす危険性があります.